これぞ高村薫作品です。最近は難解な表現の作品が多い印象でしたが、この作品は高村さんらしい冷静かつ硬質文体でテンポよくストーリーが展開され、夢中になって最後まで読みました。作品全体を覆う薄昏い雰囲気、深くえぐるような表現、この作者は天才だと思います。
12年前の事件が別の事件を発端に再捜査されることになり、当時の捜査官だった合田刑事も否応なく当時に引き戻されて行く。
まだ読んでいない方が羨ましい。

大好きな高村薫さんの作品ですが書店では見つからず、購入しました。少しお年を召した合田さんが、落ち着いて思えました。また別のシリーズで会えるのを楽しみにしています。